惹句のとおりの「極上ミステリー」として読むには整合性に欠けると思われるところもあるのだが、魁とあかりの物語としては大変感動的ないいラストに収束したと思う。
ラストの魁の涙が嬉しい。
棗の生命が連綿と続いていくのを見守りながら、魁はこれからの長い生命を生きていくことができるのだろう。
オキナガの境遇も、ずいぶんと良くなっていっているみたいで……、竹之内さん、頑張っているんだろうなぁ。
希梨香は自由になって、素直に「あかりちゃんに似たいい子だよ」なんて言えるようになったんだ。
よかった! よかった!
希梨香とひかるの関係から察するに、希梨香はあかりの家族と非常に親しい関係になっているようだけど、もしかして、一緒に暮らしていたりするのかな?
あかり一族の座敷童になってたりして……(^^ゞ
伯爵も結婚して、幸せになったのか……。
日焼け止めの開発には、アゼチ化学が関わったのだろうか?
口角にシワが入ってちょっと年取ったようだけど、これまでと変わらぬ唐沢さんの姿をもう一度見られたのは嬉しかった。
しかし唐沢さんの変わらぬ姿に比べて、久保園さんは、風邪をひいたにしてもずいぶんやつれて生気がないようで、4年の間に何があったのか……。
あまり考えたくはないのだが、やっぱり久保園さんはオキナガ排斥派と関係があったのだろうか?
(2017年7月4日 記 : 「「羊殺し事件」が実藤さんの件を含めてすべて終わったのは2017年の年が明けてからなので、2020年のお花見が「4年後」になっているのはおかしいような気が……。」と書いたのはのはわたしの勘違いでした。「『白暮のクロニクル』には他にも暦年の数え方に誤りがあるようで、些細なこととはいえ、ミステリーとしては気にかかる。」なんて偉そうに書いてしまって、恥ずかしい(>_<))
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章太が市哉だという読みは外れたなぁ。
でもやっぱり章太は幸絵にそっくりだと思えるので、わたしは今でも章太は市哉なのではないかという疑いを捨てきれないでいる。
章太と実藤さんが思わせぶりに見つめ合ったのはなんだったのだろう。
実藤さんが章太を殴った犯人だとしたら、殴った時と変わらぬ姿の章太を見て実藤さんが気がつくのは当然としても、章太のほうはあれだけ変わってしまっている実藤さんを一目見て、それと気がつくものだろうか?
気付いたとして、殺人(未遂)事件の被害者と加害者が出会った時のリアクションって、あんなものなのかなぁ?
あと、実藤さんと章太は年齢が同じなんだよなあ……。
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あかりの結婚相手は誰なのか?
病室のネームプレートが「伏木あかり」になっているので、結婚はしなかったとも考えられるが、あかりの性格から考えて、結婚しないで子をなすことはないだろう。
そして、これもあかりの性格から考えて、魁のことを隠したまま結婚ということはしないだろうから、魁とあかりの関係を知って、その上でなおかつ、多分、結婚後もあかりと魁の交流を許せる相手。
やっぱり一太先輩なのだろうか。
これまでの一太先輩の言動がすべて本心からのものだったのなら、こいつはとってもいい奴なので、それもありかもしれない。
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プロローグとエピローグは、同じ建物、同じ病室番号であることから考えて、同じ病院(第1巻の最初のコマに「・・病院」「・・SPITAL」の表記あり)でのエピソードなのだろうが、プロローグとエピローグの魁とあかりの会話が重ならなかったのは残念。
プロローグはエピローグのさらにあとのエピソードで、プロローグの会話は、エピローグの「死にそうになったら知らせてくれ。いつでも飛んでくるよ」という言葉の通りに、あかりが死にそうになったので魁がやってきた時のものなのだろうか。
カッコーが鳴いているので、季節は同じなんだよなぁ……。
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「即身仏事件」なるものも読んでみたいし、解明されない謎もまだ残っているように思われるし……。
後日談……というか、魁とあかりのお気楽探偵物語をぼつぼつと描き続けて、そうした謎の答えも明かしていってくれると嬉しいなぁ。
そうして、少しずつオキナガたちの待遇が改善されていって、これまで登場してきたオキナガたちが幸せになっていく様子なんかも見せてくれると楽しいと思う。
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というあたりが、取り敢えず週刊連載を読んでの感想その他です。
単行本刊行で、またなにか変わってくるところがあったりするかな?
『白暮のクロニクル』第7巻、読了。久保園さんが怪しいよ〜。゜(゜´Д`゜)゜。 (ネタバレ注意)
『白暮のクロニクル』とうとう禁断の週刊連載に手を出してしまった(^^ゞ (ネタバレ注意)
『白暮のクロニクル』第8巻読了(ネタバレ注意)
『白暮のクロニクル』第10巻読了(ネタバレ注意)