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2016年10月16日

生命保険とマイナンバー

マイナンバー制度が始まって、生命保険の支払いを受けるとき、生命保険会社からマイナンバーの申告を求められるようになった。
しかも、申告の際には「個人番号を確認できる書類」の他に「住所・名前・生年月日の記載のある写真付き証明書類」等を提出する必要がある。
そうなると、こうした根幹的に重要な個人情報が、信頼に足るかどうかもわからない不特定多数の目にさらされることになってしまう。
なにかというと○○詐欺などの犯罪が横行する欺瞞に満ちた物騒な世の中で、これはとても恐ろしい。

しかし、調べてみると、生命保険会社へのマイナンバーの申告は、今のところ、どうしてもしなければならないものではないようだ。

生命保険会社のホームページを見てみると、マイナンバーを申告しなくても保険金の支払いを受けられると説明しているし、「お客さまには法令上、マイナンバーの申告義務はありません」(三井生命)と明記しているところすらもある。

客のマイナンバー情報は、生命保険会社が税務署に提出する「支払調書」のために必要とされるものであり、そのために生命保険会社はマイナンバーの収集に努力することを税務署から求められるのだが、客が申告しないためにマイナンバーの記載漏れのある「支払調書」を生命保険会社が提出しても罰則規定などはなく、税務署はこの書類を受理することになっているようだ。

マイナンバーの収集は会社側の努力義務であって、客側に申告義務はない。
だから、生命保険会社は客に対して「協力お願い」をしているのである。

このことを踏まえた上で、セキュリティ的に不安があるなどでマイナンバーを申告したくない場合は、申告しないと支払いを受けられないなどの不利益な取り扱いを受けることになるのか、生命保険会社に確認してみるといいのではないかと思われる。
窓口スタッフや外交スタッフなどは、ノルマを課せられていることもあって、強引に申告を求めてくることも考えられるので、問い合わせ先は、利害関係も少なく、知識のばらつきも少ないであろう本社のコールセンターなどにするといいだろう。

*  *  *

以下は各生命保険会社のホームページからの抜粋。

・三井生命

マイナンバー申告書類を出さないと、年金や保険金は請求できないのですか?

お客さまには法令上、マイナンバーの申告義務はありませんので、マイナンバー申告書類の提出にかかわらず、ご請求いただけます。しかし、生命保険会社が税務署に提出する支払調書に「マイナンバー」の記載をすることが義務付けられておりますので、「申告書類」の提出にご協力ください。


・日本生命

マイナンバー(個人番号)を申告しない場合、支払手続きはしてもらえないのですか?

マイナンバー(個人番号)を申告いただかなくても、保険金等をお受取りいただくことはできます。
 なお、保険会社は支払調書にマイナンバー(個人番号)を記載する義務がございますので、ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。


・かんぽ生命

マイナンバーを提供しなければ保険金は支払われないのですか。

マイナンバーをご提供いただけない場合でも保険金等をお支払いできますが、保険会社は支払調書にマイナンバーを記載する義務がありますので、お手続き時に個人番号を確認できる書類をお持ちでないなどの場合は、後日、郵便局保険窓口にてマイナンバーをご提供いただきますようお願いいたします。


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posted by 庵主 at 05:26| 独り言
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