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2020年03月03日

マスクの供給量 2020年2月29日の首相記者会見

2月29日の首相記者会見を見ていて、耳を疑ってしまった。
マスクを「月6億枚以上供給を確保」だと、単純計算で、日本国民全員に対して、一人一月(ひとつき)5枚にしかならない。

マスクを外して食事をすることなどを考えると、日本国民全員にせめて1日2枚と考えて、最低でも月産70億枚以上、病院や施設などの需要や、日本に居住する日本国籍を持たない人も視野に入れると、本当なら月産100億枚くらいは必要ではないかと思うのだが……。

「3月は1月の生産量の2倍を超える」「例年の需要を十分に上回る供給」が確保されるといっても、「例年の需要量」というのはマスクを使わない人のほうが多かった新型コロナウイルス以前の需要量でしかないわけで、日本に居住する人全員がマスクを必要とするようになってしまった現在、2倍量のマスクで対応できるはずがない。

わたしは長年、風邪と花粉症対策のためにマスクを使い、感染症対策として消毒用エタノールを持ち歩いているのだが、買い置きのストックが、あと少ししか残っていない。
ストックしてあったマスクは中国製である。

コロナウイルス以前のマスクの多くは中国製だったから、必要量を確保できるように国内の生産体制を整えるには、日本国内に今ある生産設備をフル稼働するだけで到底まかないきれないのではないか。

エタノールの生産体制がどうなっているかはわからないが……、マスクと消毒用エタノールが店頭に戻る日は来るのだろうか?
政府が行うというマスクの配給制が、混乱に拍車をかけることにならないといいのだが……。

*  *  *

偽情報から始まったトイレットペーパーを初めとする紙製品の不足については、通常時と非常時の使用量が変わるものではないし、生産量が減っているわけでもない以上、輸送網の破綻がなければ、それほど時期を待たずにまた出回ると思われるので、これについては今のところ心配していない。
かさばるものなので、各家庭でのまとめ買いにも限度があるだろう。
posted by 庵主 at 06:25| 独り言 , ニュース

2020年03月02日

円城塔・田辺井蛙『読書で離婚を考えた。』(ネタバレ注意)

単行本を持っていて、睡眠導入本の一冊として愛用しているのですが、好きな本なので発売されたばかりの文庫版も買ってしまいました。
文庫オリジナルの「あとがき」と「解説」が収穫だったので、買って良かったと思っています。

「あとがき」には単行本では触れられることのなかった出来事への言及があり、ああ、あの本が取り上げられたのはそのためだったのかと思い当たるなど、楽しい発見がありました。

「解説」を読んで、改めて、わたしがこの本が好きな理由もはっきりした気がします。

「別に夫婦ってお互いに理解し合ってなくても平気なのでは」(円城塔)
「「わかりあえないけど、一緒にいられる」からこそ、夫婦生活を続けられるのだ」(「解説」花房観音)

無理をして互いに歩み寄ることなく、しかし互いを思いやりながら仲良く暮らしている(ようにみえる)円城塔・田辺井蛙ご夫妻のありようは、わたしには理想的とも思えるのですが、こういう夫婦関係って、やっぱり危ういのかなぁ。

願わくはこのご夫妻が、末永く「ずっと一緒にいると性差もなくなり、なんというか気が付けばモテない2人が「ちょっとあんたさ〜」みたいな軽口を叩きあいながら仕方なく一つ屋根の下に住(田辺青蛙)」み続けて、時々、本書のような企画でそのお姿を垣間見させてくださると嬉しいなぁと思っています。

ところで、我が家では食器を洗った後、位置をずらして斜めに組み合わせる形で、「皿、お椀、皿、お椀と重なった立体構造が出現」します。
隙間を作って食器を乾きやすくするためなのですが、このご夫妻の家の洗った食器の立体構造にも何か理由があるのではないかと……、気になります。
posted by 庵主 at 04:47|
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