「北冥(ほくめい)に魚あり、其(そ)の名を鯤(こん)と為(な)す。鯤の大いさ其の幾千里なるかを知らず。化して鳥と為るや、其の名を鵬(ほう)と為す。鵬の背、其の幾千里なるかを知らず。怒(ど)して飛べば、其の翼は垂天(すいてん)の雲の若(ごと)し。是(こ)の鳥や、海の運くとき即ち将(まさ)に南冥(なんめい)に徒(うつ)らんとす。南冥とは天池なり。」
『荘子』には、ファンタジーの味わいに通じるこうした壮大な法螺話がたくさんて収められています。
本来の主旨としては、それによって人を納得させようとする苦心の作なのでしょうけれど、あまり深い意味など考えず、素直にその情景を思い浮かべていると楽しいのです。