『聖書』を読むなら、何と言っても文語訳の『舊新訳聖書』です。
これは、日本語が滅法素晴らしいのです。
躍動感に溢れた力強い文体に酔ってしまえます。
文語では読み辛いという方には、最近になって新しく刊行された『聖書 新共同訳』がおすすめです。
ファンタジーとして楽しんでしまうなら、なんと言っても、異形のものが大挙出演して大活躍する
「ヨハネの黙示録(もくしろく)」が圧巻です。
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『ファンタジー ノベルズ ガイド』執筆当時、わたしには、「『聖書』というのはキリスト教の聖典だ」という程度の浅い認識しかありませんでした。
けれども、実際は、キリスト教で言うところの「旧約聖書」こそがユダヤ教にとっての『聖書』であり、また、イスラム教においても『旧新約聖書』の一部を啓典としているなど、現在、世界を大きく動かしているこの3つの宗教に関するわたしの理解は、まだまだ全然足りないようです。
ユダヤ教やイスラム教の視点による日本語訳『聖書』があったら、ちょっと読んでみたいと思うのですが、今のところ、発見できません。