ナマコの生態がとてもファンタジー。
「ナマコの再生力は強い。パラオではタマナマコを二つに切り、中の腸を取り出して食べる。二つになった胴体は海に返してやるが、そうすると、二つの断片のおのおのがナマコになって、腸も再生する。」
「日本でも──略──腸を抜いてからナマコを海にもどすことにより、ナマコを殺さずにコノワタをつくっているところがある。マナマコは、早いときには一ヵ月で腸を元通り再生できる。」
「このナマコ(シカクナマコ)にそっと指を触れると、体壁はふわっとへっこむほどのやわらかさだ。ところが強く指でつつくと、体壁はたちまちかたくなって、変形しなくなる。このナマコを両手に持ってもんでいると、最初はゴチゴチにかたくなるが、数分間も続けていると、今度はものすごくやわらかくなり、体壁は粘液状になって、指の間からドロドロと流れ出す。──略──いったんドロドロになったナマコも、海に返してやれば、ちゃんと元のナマコらしい形になって生きていく。」