コラム

HOSHI SANBYAKUROKUJUWGO-YA by Nojiri Houei

星三百六十五夜

野尻抱影


星に喚起される幻想のイメージ

星と民俗の研究家であり、“冥王星”の命名者としても知られる著者の、“星”への愛情あふれる一冊です。
天文の本ではありません。
随筆──文学なんでしょうね、これは。
読むほどに、星に関連して次から次と喚起されるイメージに飲み込まれて、一種異様な酩酊感に身を任せることができます。
「血紅星」「天狼南中」「星曼陀羅」「霊魂の門」「朱鳥の星」「星盗人」なんて見出しを見ているだけでも、何となくイメージが湧いてきて楽しくなります。
とうに故人となってしまった著者の本は、ほかにも文庫で何冊かを読むことができますが、 これと、やはり中公文庫の『日本の星 星の方言集がおすすめです。


『星三百六十五夜(全2巻)』  HOSHI SANBYAKUROKUJUWGO-YA by Nojiri Houei  野尻抱影 著  1978年や1月10日・1978年2月10日  中公文庫
『日本の星 星の方言集』  NIHON NO HOSHI HOSHI NO HOUGEN-SYUW by Nojiri Houei  野尻抱影 著  1976年7月10日  中公文庫

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