ハチミツが大好きな食いしんぼうのクマのプーさん。
プーさんの相棒で気の小さい、小さなコブタ。
カンガルーの親子、カンガとルー。
悲観的な年寄りのロバ、イーヨー。
物知りで、難しい言葉を使うのが好きなフクロ。
ちょっぴりいじわるなウサギ。
そして、森の小動物たち――ウサギの親戚友人一同。
無邪気でちょっとまぬけな彼らは、森のなかで、毎日いろいろな冒険をしながら楽しく暮らしています。
どうしていいか困ったときにはクリストファー・ロビンに相談します。
「ばっかなクマのやつ!」
プーさんのことが大好きなクリストファー・ロビンは、愛情を込めてそうつぶやきながら、知恵を絞って問題を解決してくれるのです。
『クマのプーさん』は、作者が息子のクリストファー・ロビンに語って聞かせる、空想の森でのクリストファー・ロビンと彼のぬいぐるみの動物たちの物語です。
主人公は、クリストファー・ロビンが大好きなクマのぬいぐるみのプーさんです。
ぬいぐるみの動物たちが生きて動いてお話する友達だった幼い日……。
想像の世界がそのまま現実だったとき……。
小さい頃の私たちは、実は、魔法使いだったのかもしれません。
たぶん、まだ自分が魔法使いでいられる子供の頃、最初に読んでおくのが、このお話との一番いい出会い方なのでしょう。
でも、大丈夫。
大きくなってから出会っても、この物語はそうした幼い頃を楽しく思い出す手がかりとなって、心温まる幸せな時間を読者にもたらしてくれることでしょう。
読んでいて、優しく和やかな気持ちになれお話です。
『クマのプーさん』には
『プー横丁にたった家』という続編が一冊だけ書かれています。
この本では、虎の子供のぬいぐるみトラーが新しく森の仲間に加わります。
――つまり、クリストファー・ロビンのおもちゃ箱に、ぬいぐるみが増えたんですね。
トラーはなりは大きいけれど、森にきたとき、自分が何を食べたらいいのかもわからなかったような赤ちゃんで、この本ではクマのプーさんやコブタとおんなじくらい重要な役割を果たします。
ちなみに──、トラーの食べ物は、ルーが大嫌いなルーのお薬、麦芽のエキスでした。