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2015年07月28日

MO ディスクを破壊する。

200枚ほどある MO ディスクをとうとう処分することにした。
しかし、この MO ディスクというのは頑丈さが取り柄だったので、どうやって破壊したものか……。

ちなみに、MO ディスクは熱と磁気を両方かけることで書き換えるものなので、フロッピーディスクのように、磁界の中に置いただけではデータは消えない。
傷や汚れにも強く、ヘッドの接触による摩耗もない。
MO ディスクとMO ドライブの入手が困難になってしまったために使い始めた外付け HDD はすでに何台かクラッシュしてしまったが、それ以前に長く使い続けていた MO は1枚もおかしくなったことがないのである。
現在の大容量時代に MO を使い続けるというのは確かに現実的ではないのだが、この信頼性はすごく惜しいと思う。
というわけで、未練タラタラではあるのだが、置き場所の問題で、使わなくなった……というか、使えなくなってしまった MO をいつまでも置いておくわけにはいかないので、涙なみだで処分することにしたのである。

で、破壊の方法だが、結局、CD・DVD 対応の手動シュレッダーを使って行なった。
具体的には、「SANWA SUPPLY ハンドシュレッダー PSD-MC2210」というヤツ。
CD・DVD 対応の電動シュレッダーは高いし、変則的な使い方(MO対応と謳ったものはない)をするので、壊れてもいいやというものでないと使えないと思ったのでこれにしてみた。
通販で入手したのだか、届いたのを見たら、思っていたのよりもずっとしっかりした作りだったので、まず一安心。

MO ディスクの外箱を分解して取り出しておいた(これはプラスドライバの小さいのがあれば簡単)MO ディスク本体をおそるおそる入れてみると……、大丈夫、ちゃんと3分割されました。
どうしても取り外せなかった MO ディスク中央の金属部分を刃が噛んでしまうとさすがにシュレッダーのほうが壊れてしまうだろうと、位置取りに気をつけて入れていき、ゴリゴリゴリと、30分ほどで、すべての MO ディスクの3分割が完了。

でも破砕片が大きくてまだ心配なので、3分割されたものを、もう一度、90度違う方向からシュレッダーにかけることにする。
3分割された端っこの2枚は簡単にシュレッダーに入っていくのだが、中央部分はなかなか入っていかない。
金属部分の厚みがあるため、入っていかないのである。
ええい、壊れてもいいシュレッダーなのだからと、強引に刃の届くところまで押し込んでやると、あとはスムーズに入っていって、2度目のシュレッダーも成功。
全部で2時間もかからず、すべての MO ディスクが9分割されて、作業は完了。
シュレッダーは壊れませんでした。

これだけの枚数を1枚1枚手で割っていたらどれだけ大変だったかと思うと、この手動シュレッダーを買った価値は充分あったと思います。
posted by 庵主 at 05:50| パソコン , 独り言

2015年07月23日

キップリング『ジャングル・ブック』 岩波少年文庫の新訳版

大好きな『ジャングル・ブック』の岩波少年文庫版が新訳で出たので、さっそく購入して読んでみたのだが、最初に読んでこれで育った、新潮文庫の吉田甲子太郎の訳文が頭に刷り込まれているせいか、なんか違和感が……。
わたしはもう、古くなってしまった人間なので、今のこどもたちには、このほうが読みやすくていいのかな?

あと、これは、文体とかいう問題ではなくて、次のところなんかはどうなんだろう?

モウグリは大きくなり、力も強くなった。男の子というものは、自分がいろいろ学んでいることなど自覚しないし、食べることしか頭にない。モウグリも同じだった。(三辺律子訳・岩波少年文庫 新訳 2015年5月15日初版)

原文は、

And he grew and grew strong as a boy must grow who does not know that he is learning any lessons, and who has nothing in the world to think of except things to eat.

私の慣れ親しんだ新潮文庫版では、

そして、モーグリはだんだん強い少年になっていった。なんの課業を学んでいるとも思っていない少年、食べるもののことのほかには、この世になにも考えることのない少年は、強くなるにちがいないのだ。(吉田甲子太郎訳・新潮文庫 1957年6月10日初版)

岩波少年文庫の旧訳版では

彼は、すくすくと丈夫に育っていきました。いろいろ勉強をしていながら、勉強を勉強と感じていない苦労知らずの子ども、また、たべることのほかには、一切なにも考えることのない子どもたちがそうであるように、彼もまた、ますます元気に育っていきました。(中野好夫訳・岩波少年文庫 旧訳 1955年12月23日初版)

他に、

そしてモーグリは、どんな勉強もしていないと思っている少年や、この世では食べるもののほかなに一つ考えることのない少年がかならずたくましく育っていくように、だんだんたくましくなっていった。(西村孝次訳・角川文庫 1966年7月30日初版)

モウグリはぐんぐんたくましくなっていった。学校でどんな勉強を習っているのかわからない少年や、食べることしか頭にない少年と同じだった。(金原瑞人訳・偕成社文庫  1990年7月初版)

と、訳者によって意味合いというかニュアンスが、それぞれ微妙に違っている。

must」や「a boy」の扱いの問題と思えるのだが、わたしには、新潮文庫版がやっぱり一番それらしく思われる。
中野好夫訳や西村孝次訳はバリエーションの範囲内と思えるし、金原瑞人訳も「わからない」という言葉がちょっと引っかかるけど、これもバリエーションの範囲内かな?
でも、三辺律子訳はちょっと違うような気が……。

英語力に自信がないので、もうひとつちゃんと判断できないのが辛いところです。
実は、今までの各氏の解釈のほうが違っていて、最新の三辺律子訳が一番正しいのかも……。
うーん、わからんっ(__;)
posted by 庵主 at 15:22|
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