皆さん、こんにちは!!
ファンタジー大好き人間の“いするぎ りょうこ”です。
ファンタジーに興味をお持ちの皆さん。
ファンタジーの世界に魅力を感じながらも、どこから手をつけていいか迷っていらっしゃる皆さん。
この本は、そういった皆さんがこれからファンタジーを読んでいく上で、何らかの手がかりとなることができればと思って執筆したものです。
ご紹介するファンタジーは、私の家の本棚に、再読、再再読をしようと、古本屋行きを免れて、山となって積まれているものです。
というわけで、ここで取り上げたファンタジーは、まったくの私の趣味で選び出した、私にとっておもしろいファンタジー、印象に残ったファンタジーなのです。
私の味わった楽しい思いを上手に皆様にお伝えすることができて、私の愛しいファンタジーたちを、皆さんにも愛して楽しんでいただけたら嬉しいなと思っています。
皆さんにとって、ファンタジーとはいったい何でしょう。
“剣と魔法の物語”、“竜が出てくる物語”、“妖精が出てくる物語”、“架空の世界の物語”、“動物がお話する物語”、“幻想的な物語”……。
ファンタジーに対するイメージは、人それぞれにさまざまです。
そしてこれと呼応するように、ファンタジーの定義も人それぞれに、山の数ほどあるようです。
この本で紹介する“ファンタジー”は、「何らかの形で“超自然現象”が登場し、それを、科学的用語、または科学的概念を使って解説・解明しようとしないもの」としたいと思います。
ここで言う“超自然現象”とは、
「現代の科学で解明できないもの」という意味です。魔法も竜も妖精も、“超自然現象”と考えます。
したがって、大きく見ればこれもファンタジーの一分野であるのかもしれませんが、“SF”は除きます。
「科学的用語、または科学的概念を使って解説・解明しようとしない」というのは、ここでは、ファンタジーと“SF”をわける大きな鍵になります。
また、ファンタジーと銘打たれて出版されていても、ただ単に、架空の世界での架空の出来事を描いただけで、超自然現象の登場しないものは、ファンタジーとして取り上げることをしませんでした。
ファンタジーを「架空の世界での架空の出来事を描くもの」と考えてしまうと、フィクションとしての小説は、日本の私小説などのごく少数の例外を除いて、みんなファンタジーということになってしまうからです。
小説は、多かれ少なかれ、作者の創造による架空の世界(状況設定)のなかで、作者の創造した架空の出来事を語るものなのですから。
でももしかしたら本当は、ファンタジーは、「架空の世界での架空の出来事を描く」ほとんどすべての小説を含む、たいへん幅広いジャンルなのかもしれません。
「何らかの形で“超自然現象”が登場し、それを、科学的用語、または科学的概念を使って解説・解明しようとしないもの。」
この本では、成立の過程はまったく無視して、現代の目で読んで、そうしたファンタジーと感じられるものをすべて選択の対象にしました。
ですから、神話・伝説など、本来ならファンタジーとは言えないものでも、今現在、私たちがまったく白紙の心で読んでおもしろいファンタジーと読めるものは、難しく考えることなくファンタジーとして取り上げました。
それから、なるべくバラエティに富んだものを紹介したいという狙いのために、原則として、一作家一作品、または一項目に限っています。
なお、この本で扱うのは文章で表現されたものに限りますので、コミック、映像などは取り上げません。
コラムは、“ファンタジーの周辺”として、ノン・フィクションその他、ファンタジー関連の書物、また、私が何らかの形でファンタジーを感じた書物を取り上げて、いくつかを紹介してみます。
“ハイ・ファンタジー”、“ロー・ファンタジー”、“エピック・ファンタジー”、“ヒロイック・ファンタジー”……。
通常、ファンタジーのジャンル分けに使われているこういった分類はこの本では使いません。
どのような意図のもとに書かれた作品であっても、すべての作品を同等の基準の上で扱いたかったためです。
この本では、主人公のファンタジー世界への入り込み方、ファンタジー世界と私たちの世界との関わり合いかたによる、まったくの形式上からの章立てを試みました。
読者がどこに視点を置いて読めばよいか、そこに重点を置いて分類してみたつもりです。
ただし、現在進行形の物語に関しては、ファンタジーの場合、最後にどんなどんでん返しがあるかわからなかったりしますので、終わってみたら分類場所が違っていたというケースが出てくるかもしれません。
その節は平にご容赦を!!
《太字・斜体》は、シリーズ名を表します。
『太字・斜体』は、本の書名を表します。
「太字」は、『書名』や
〈雑誌名〉のなかに収められている1編の題名を表します。
〈斜体〉は、雑誌名を表します。
「斜体」は引用を表します。