ここに取り上げるのは、日本の過去を異界ととらえ、そこに超自然現象が起こる物語です。
過去の世界そのものが、現代に生きるわたしたちにとってはすでに異界になってしまっているので、舞台を過去に取るだけでファンタジーの雰囲気が醸し出されます。
そのうえ、読者にはある程度その時代に対する予備知識があるので、そういう意味では入り込みやすい物語でもあります。
舞台になる時代が現代から見て過去であっても、描かれた時代が昔であったためにそうなってしまったもの──、つまり、それがその時代の現代であったものは、ここでは取り上げませんでした。